室蘭に新しい風を呼び込もうと思った。
12月1回目の土曜日。18時に中島町のナニナニ製菓に集まった10人で話し合われたのは、シップリサイクルを室蘭市民と隣接する市民、伊達市民と登別市民にも理解してもらい、応援してもらいたい。その説明会にどうやったら参加してもらえるだろうかを考える。という内容でした。
シップリサイクルは簡単にいうと、「船を解体して資源を再利用する」事を目的としていて、国際的な条約にまでなっている。
なぜ条約にまでして、船を解体しなきゃいけないのか。
船の解体をしているのは、バングラディシュ、インド、パキスタン、中国など。環境に対する規制や、安全対策がちゃんと行われていないのが現状です。
バングラディシュでは満潮時に、船を遠浅の海岸めがけて走らせ、わざと座礁させる。船の止まった場所、砂浜の海岸がそのまま解体の作業場になる。足場やクレーンなどの重機はない。作業員はヘルメットなし、靴なし、手袋なし、来ている服さえ短パンにTシャツだ。ガスで鋼板を切断する時でさえ軽装である。鋼材の下敷きになったり、船内での窒息、可燃性のガスに着火した爆発事故で死傷者も後を絶たない。また、海岸の潮の満ち引きで、オイルや重油、アスベスト、PCBなどの汚染物質が海へ流れている。もちろん地面にも有害な汚染物質が溜まっている。そこを素足で歩くのだ。それでも劣悪な環境で働く作業員に船の解体を依頼しなくてはいけない。なぜなら賃金が恐ろしく安く、有害物質が垂れ流しでも管理する体制がないから。さすがにインドや中国では、ここまでの現状ではないと期待したいが、一部似たようなことはあるかもしれない。
そこで安全でクリーンに船を解体していく取り組みが、2009年5月15日香港国際条約として採択される。劣悪な環境で働くことや、環境汚染、不透明な船の取引や解体は行われなくなるだろう。ただ、解体業者が少なすぎるのが問題だ。日本には瀬戸内海に数社あるようだけど、豪華客船やタンカーのような大型のものになると、解体する船の需要に工場が到底追いつかない。造船の数は世界で第二位の日本には廃船する場所がないに等しいのだ。
室蘭には造船所、工業化された深い港、リサイクルされた鉄を運搬し利用できる工場や体制が揃っている。そして何よりも船を解する体技術を開発し実験できる、室蘭工業大学でシップリサイクルを実証実験して成功させている。タイミングよく、2017年12月2日に、日本政府が来年の国会でシップリサイクルに関する法案を提出するとニュースが流れた。
何より新しい産業ができると、雇用も生まれ人口も増え街も活性化される。地元経済にとってもチャンスではないでしょうか。また、このビジネスモデルを海外に販売するなんてことも考えられます。バングラデシュに技術協力して安全に作業してもらう事も可能でしょう。仮に室蘭でシップリサイクルが行われなくても私たちにはノーリスクです笑。
将来的に子供達が望めばの話だけど、地元での就職先という選択肢があるだけでも恵まれたことではないでしょうか。私達が自分の住んでいる地域に新しい産業を作るには、地元の応援や理解が必要です。
来年の2018年1月25日。蓬莱殿で行われる室蘭工業大学、清水一道教授が主催の『シップリサイクルセミナー』(無料)に参加して、室蘭の未来について少し考えてみませんか。今回は関係者だけではなく、多くの市民の方に参加してほしいです。スタートが17時頃なので子供がいても来れるように、子供向けの催しも用意します。子供が来て泣いても騒いでも大丈夫という了解は取ってます。夕飯時なので食事も用意する予定はあります(軽食程度)。市民の応援と協力で新しい風を室蘭から起こしていきましょう。